明日を生きるごはん

テレビでは知り得ない食と健康の話

なぜ、今米粉パンなのか?

※ご来訪ありがとうございます。当ブログにはじめてお越しの方は、まずこちらを読んでいただけるとうれしいですm(__)m

小麦粉の代替品として、今「米粉」が注目されていることをご存じでしょうか。

さらにいうと、その「米粉を使ったパン」のブームが到来しつつあります。

今回は、改めて「そもそもなぜ、小麦粉を米粉に置き換えなければならないのか?」

米粉で作ったパンはおいしいのか?」

といった疑問点に着目していきたいと思います。

小麦粉→米粉へシフトチェンジする理由

このブログの読者様はじめ、食と健康を勉強されている皆様にとって、

「小麦粉はできるだけ控えたい食品」

だという認識の人が多いのではないでしょうか。

 

いや別にそんな認識はないよ、という方にも小麦の件は少なからず関わってくる問題と思われますので、

ぜひ最後までご覧ください。

 

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※当ブログでも、小麦粉の問題点についてはその1~4に分けて記事にしてきました。

まだ読んでいない方、良かったら以下のリンクよりぜひお目通しいただければと思います。

知らないとマズイ小麦問題 その1「問題が多すぎな点」 - 明日を生きるごはん

知らないとマズイ小麦問題 その2「微妙な不調とグルテン不耐症」 - 明日を生きるごはん

知らないとマズイ小麦問題 その3「小麦断ちを考えるその前に」 - 明日を生きるごはん

知らないとマズイ小麦問題 その4「小麦の減らしかた」 - 明日を生きるごはん

 

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小麦粉が体質に合わない人が多い

小麦粉はグルテンに対するアレルギーはもとより、アレルギーではなくとも、グルテンそのものが腸に貼りついて炎症を起こし、それにより体にさまざまな不調をきたしやすいことが明らかになっています。

 

私も専門書を何冊か読んだり、関連動画を視聴したりしてみて、はじめて

「えっ、こんな症状、あんな症状までもが小麦のせいかもしれない!?」

と驚いたものです。

 

もちろん、小麦を食べても元気で何の問題もない人もいるでしょうから、全員に当てはまるわけではないのでしょうけれど。

 

2022年7月には、10万人以上の胃腸を診た専門医による、パンについての記事および書籍が世に出て話題となりました。

president.jp

 

輸入小麦のリスク

ここまでは、小麦そのものによる体調への影響の話でしたが、そこに

「輸入品」

「農薬」

「品種改良」

といった問題も絡んできます。

 

それに加え、現在国内で消費する小麦粉の約8割は、海外からの輸入品です。

以下の引用文からも分かるように、輸入品は国内産以上に農薬が使われています

 

「仕方ないこと」だと言ってしまえばそれまでですが、消費者としてせめて実情を知っておく必要はあるのではないでしょうか。

 

アメリカの穀物農家は、発がん性に加え、腸内細菌を殺してしまうことで、さまざまな疾患を誘発する懸念が指摘されているグリホサートを、雑草ではなく麦に直接散布している。収穫時に雨に降られると小麦が発芽してしまうので、先に除草剤で枯らせて収穫するのだ。枯らして収穫し、輸送するときには、日本では使用されていない防カビ剤を噴霧する。

引用:東洋経済オンライン「リスクのある小麦」の輸入を続ける日本の末路

 

輸入小麦の価格高騰・輸入量の減少

そしてそして、昨今問題視されているのが、そもそも輸入小麦が手に入りにくくなりつつあることです。

 

このことは、元農水省官僚で現東大教授である鈴木宣弘先生ほか、たくさんの専門家がマスコミメディアを通して繰り返し訴えていらっしゃいます。

 

露ウ戦争の影響だとか、いろいろいわれてはいますが、そもそも食糧危機はもう何年も前から叫ばれている問題だったんですよね。

私はお花畑星人でしたので、知ったのは最近ですが^^;

 

※以下リンクは、2013年に出版された鈴木教授の著書

 

 

つまり、何がいいたいかというと、

今まで普通に食べていた小麦製品が、(例え体にあまり良くないとしても)

世の中から姿を消すかもしれない、もしくは超高級品になってしまう可能性があるわけです。

 

小麦製品って、パンをはじめ、うどん、パスタ、ピザ、お好み焼き、餃子や春巻きの皮、天ぷら、クッキー、ケーキなどなど、ありとあらゆる食品に入ってます。

 

小麦が体に悪いとか一切気にしてない人にとっても、これらが高級品になってしまうことは決して他人ごとではないはずなんです。

 

小麦の代替品として、「国を挙げて」米粉を推奨

現在、我が国の米の自給率はほぼ100%。

しかしながら、米の消費量は食生活の変化に伴い、年々右肩下がりですし、生産量も減少傾向にあります。

農林水産省 米の消費量推移

出典:農林水産省

 

食糧危機が叫ばれている昨今、自給率ほぼ100%の米を守らない理由がどこにあるというのでしょう?

 

・・・とはいえ、

小麦食文化にすっかり慣れ親しんでしまった私たち。

だからといってすぐにみんなが「和食」へと移行できるかといえば、なかなか難しい現状があります。

 

パン食べたい、パスタ食べたい、たまにはスイーツも食べたいという人は必ずいるでしょう。

 

そこで。

 

満を持して「米粉」の登場となります。

和食への移行だけでは米の消費量アップを見込めないため、小麦粉の代替品として、米粉を活用することを国を挙げて推奨しているのです。

 

農林水産省の資料によると、平成30年より米粉の「グルテンを含まない」という特性を発信するため、

「ノングルテン米粉三者認証制度」や「米粉の用途別基準」を開始し、さらに

令和2年には「ノングルテン米粉の製造工程管理JAS」を制定し、令和3年から認証を開始しました。

 

農林水産省 米粉生産量の推移

出典:農林水産省

 

2022年7月の食品産業新聞社ニュースによると、新潟県と東京都が米粉の消費促進のため協定を結んだとあります。

www.ssnp.co.jp

 

小麦の代替品として米粉を活用していくことは、もはや一部のアレルギー対応などの問題だけにあらず、深刻な食糧問題解決への糸口となります。

これはすなわち「国を守る」ことに繋がるといっても過言ではない、といえるのではないでしょうか。

 

米粉で作ったパンはおいしいの?

そうはいっても、米粉で作ったパンは、小麦粉と比べておいしいのだろうか?

と疑問を持つ人も多いでしょう。

 

答えからいうと、

「十分おいしい!」

です。

 

もちろん、小麦粉パンの、あの何ともいえない伸びのある食感の、完全再現は難しいと認めます。

 

あの独特のコシや食感は、グルテンによるものです。

それを我々がとても「美味しい」と感じるのは、グルテンに含まれる「グルテオモルフィン」という依存性、麻薬性のある快楽物質によるものだということが分かっています。

 

つまり、中毒になってしまっているんですね^^;

そりゃおいしいはずです。

 

おいしいだけなら中毒上等(゚Д゚)ノ、なんですけど(笑)不調の原因にもなりうるわけですからねえ。

私もなかなか抜け出せなかったです、はい。

 

 

そんな、グルテンが入らない米粉のパンですが、それでもここ数年で目覚ましく発展したのは、製粉技術の向上や、米粉製パン理論の研究が進んだ結果だといわれています。

 

今までは、上新粉などのような、いわゆるお団子を作る米粉は存在していたのですが、まったくのグルテンなしではパンは作れなかったそうです。

 

こういうことを研究して、今や小麦粉のパンに近い米粉のパンができるようになった日本って、すごいと思いませんか?

 

 

米粉は、米の種類や製粉方法などによって、給水量も異なりパンのでき方も変わります。

 

米粉パンについて検索すると、「パン向き」とされる米粉の銘柄があがってきます。

よく推奨されているのが、熊本の「ミズホチカラ」という銘柄です。

 

 

※2022.8.20更新:リンクの米粉が「製菓用」になっているとご指摘を受けました。大変失礼いたしました。謹んでお詫びいたします。リンクはパン用米粉に変更させていただきましたm(__)m

万が一、製菓用を購入してしまった方へ。製菓用ミズホチカラで作るパンの動画がありましたので、こちらをご参考に作ってみていただければ幸いですm(__)m

↓ ↓ ↓

菓子用米粉でパンは焼けるか?『ミズホチカラ』パン用米粉との違い Can bread be made from rice flour for confectionery? - YouTube

 

私もミズホチカラ(パン用)を使ってみましたが、作りやすい、失敗しにくい、小麦パンに近い、という点では、確かに!という出来栄えでした。

 

だけど、じゃあほかの銘柄はどうか?と試してみると、膨らみ方などが変わるだけでなく、味も全然違っているんですよ。

明日を生きるごはん

左上:ニセコ米、左下:美瑛米、右:ミズホチカラ(熊本) 

※膨らみ方の違いは、粉の特性だけでなく、技術の問題もあります

 

例えば、小麦粉のパンでも、

「ふわっふわの白パンが好き」

「小麦の味が感じられるパンが好き」

「ハードな全粒粉パンが好き」

など好みが分かれるように、

 

米粉のパンも、どれがおいしい、まずい、というのは個人の好みになってくるのかな、と思いました。

 

個人的な私の思いとしては、やはり地元北海道の米粉を使いたいですし、

実際とってもおいしいんですよ。

 

縁あって試作に使わせていただいている、ニセコ米粉工房「味楽屡ゆきや」さん

《公式》 ニセコ ゆきや ニセコフードコミッション企業組合 NISEKOFARMS (nisekofood.jp))

米粉は、

北海道産無農薬栽培のきらら397

パン用米粉には、より製パンしやすく同米のα化米を配合されています。

 

このように、地方地方で米粉開発がされていますので、ぜひ同じ銘柄だけでなく、地元の米粉を使ってみるというのも、おすすめしたいところです^^

 

これからは米粉パンのお店ももっと増えていくかもしれませんね。

消費者としては、いろいろな米粉パンを食べてみたいなーと思います。

 

もちろん米粉パンだけでなく、米粉のピザ屋さん、米粉うどん屋さん、たくさんできたらうれしいなあ~。

 

米粉スイーツについての考え

シフォンケーキやクッキーなどのスイーツも、もちろん小麦粉よりは米粉で作ってくれたほうがいいし、ニーズはあるでしょう。

 

しかし、スイーツの問題点は、砂糖を使うこと。

 

砂糖は、以前も書きましたが小麦粉に匹敵するくらい体調不良の原因とされる依存物質です。

 

そう考えると、どうしてもあまり率先して米粉スイーツを作ろう!という気になれない自分がいます。

(パティシェのくせにねえ…)

 

そもそも米粉パンも、発酵のために砂糖を必要としますから、和食に比べると糖分過多になりがちなんですけども

(しかも、そのパンにバター塗ったりジャムつけたりすればもっと、ね笑)

 

まあ、あくまでも「脱小麦」のステップとしてまずは米粉パンなのかな、と私は考えています。

 

特別な日のスイーツも、時にはありだと思うので、米粉パンの試作がひと段落ついたら、シフォンケーキやクッキーなども作っていこうかな、と思ってます^^

 

おわりに・米粉パン講習を開きます

長々と書いてきましたが、やはり米粉はまだまだ未知の領域。

 

どういうものを買っていいのか、そもそも使い方だって分からないし、ましてやパン作りなんてハードルが高すぎ!

なんて思う人も多いかと思います。

 

私自身、こういう講習会があればなあ…と思っていた矢先、地元北海道でもう10年以上前から米粉に携わっている方とご縁があり!

これはぜひ、勉強させていただきたい、という思いで、今回講習会を企画するに至りました。

 

北海道限定の開催で恐縮ですが、PRさせてください。

北海道グルテンフリー友の会

 

このような感じで、さまざまな勉強会や講習会を企画したり参加したりして、たくさんの方にもっと米粉を知ってもらえたらいいなあ、

そしていずれはどこの家庭にも米粉が常備され、飲食店でも普通に使われているような時代がきたらいいなあ、と思うのでした。

 

【2022.11追記】

その後米粉パン作り講習会を開催し、パン作り工程の動画もアップしました。

以下の記事よりご覧いただけます。

↓ ↓ ↓

nanakama.hateblo.jp

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

米粉講習会のことをご紹介いただいたブログ※

実体験をもとに書かれた記事です。アナフィラキシーショックの怖さを改めて知りました(>_<) 

↓ ↓ ↓

ameblo.jp

 

【2022.8.24追記】

講師の齋藤理事長様のブログにもご紹介いただきました!

ameblo.jp

 

 

【参考】

・「米の消費拡大について」 農林水産省

index-101.pdf (maff.go.jp)

・「長生きしたけりゃ小麦は食べるな」 本間良子 著

 


長生きしたけりゃ小麦は食べるな [ 本間良子 ]

 


朝食にパンを食べるな 10万人の胃腸を診た専門医が教える!!長生き食事術 [ 福島正嗣 ]