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米粉を使ってパンなどを作ろうと思った時、レシピに「α(アルファ)化米粉」と書いてあることがあります。
アルファ化という言葉、栄養学を学んだ人ならご存知の人も多いかと思いますが、一般的にはあまり知られているとはいえませんよね。
今回は、米粉のアルファ化とは何ぞや?というお話をしていきたいと思います。
α(アルファ)化とβ(ベータ)化とは
米粉には炭水化物であるでんぷんが含まれていることは、ご承知の通りです。
そのでんぷん、「加熱された状態」と「生の状態」では状態や性質が大きく異なります。
それをα化、β化と呼んでいるわけですね。
端的にいうと、こういうことです。
・炊飯したお米→→ふっくらおいしい→→α化でんぷん
・生の米→→硬い、消化できない→→β化でんぷん
また、とろみ付けに使う片栗粉も、じゃがいものでんぷんです。
・水溶き片栗粉を加熱→→とろみがつく→→α化でんぷん
・加熱してない片栗粉→→食べられない、消化できない→→β化でんぷん
※α化を日本語で「糊化(こか)」ともいいます。のり状になる、とイメージしていただくと、より分かりやすいですね^^
反対に、β化は「老化」と表現します。冷めたご飯は老化するとパサパサ、つまりβ化するということです。
α化米とは
α化米とは、炊く、または蒸すといった調理をしたお米に、熱風を当てて急速乾燥させたお米のことです。
乾燥させているので長期保存できるだけでなく、α化の状態を保っているので、洗米の必要もなく普通のお米よりも早く食べられるという特徴があります。
そういったことから、α化米は保存食や介護食に良いとして、近年注目されてきているのですね。
α化米粉とは?その特徴も
基本的には、上記で挙げたα化米を粉にしたものを、α化米粉といいます。
しかしながら、炊飯→乾燥→粉砕 という工程には時間もコストもかかるとのこと。
そのため、日本では山形大学が生米から炊飯工程を経ずにα化米粉を製造する、独自技術を開発されたそうです。
【参照】
米粉とアルファ化技術 | AFTEC 山形大学先端フードテクノロジー研究開発拠点
一般消費者のわたしたちには直接関係はないかもしれませんが…
このように、米粉の技術は日々進歩していること、そしてそれだけそういったニーズが高まっているんだと分かり、嬉しく思います^^
さらにα化米粉には、うれしい特徴がたくさんあります!
・長期保存ができる
・α化米同様、消化が良く離乳食や介護食に適している
・吸水性・保湿性が高く、冷めても固くなりにくい
・粘着性があるので、スイーツやパンに使うことで天然の増粘剤となる
・米粉パンにおいては、発酵時に出るガスを捉え、しぼみにくくする(グルテンの代用)
米粉パンにα化米粉を配合すれば、「100%米粉」を謳えるパンを作ることも可能だというわけです。
α化していない、普通の米粉でパンを作ることはもちろん可能で、私も何度か作っていますが・・・
小麦パンのように、ふわふわした食感が長持ちしないんですよね。
ていうか、硬くなるのが早い^^;
それがいわゆる「β化(老化)」するということ。
手作りにおいては、すぐに食べるわけですし、わざわざα化米粉を取り寄せてまでパンを作ることもないかもしれません。
しかし、そういうものがあると覚えておくだけでも、これからの米粉生活において役立つことは間違いないでしょう。
α化米粉ってどんなもの?実験動画
というわけで、実際にα化米粉がどんなものか、ほかの米粉と比較した実験動画を作成しましたので、良かったらこちらも合わせてご覧いただけたらと思います^^
(5分程度の動画です)
第3回グルテンフリー講習会でも、そのお話あります!
北海道ニセコフードコミッション企業組合では、実際にこのα化米粉を独自技術で製粉されています。
今回11月27日に企画したグルテンフリー講習会でも、そのお話と試食会がありますので、お近くの方は良かったらぜひ聞きにいらしてくださいね。
今回、インスタで @nagisa_mirai さんが講習会の告知を素敵にしてくださったので、こちらでご紹介させていただきます。
(@nagisa_mirai さん、ありがとうございます💛)
α化米について知ってしまったアナタは
α化米粉があらかじめ配合されている米粉があるって、うれしい\(^_^)/
・・・と思えるようになるかもw
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【参考】
「日本米粉協会」