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牛乳といえば健康飲料というイメージが強い反面、実は昔から「牛乳有害説」が叫ばれていることをご存知でしょうか。
今回は、指摘され続けている牛乳の健康リスクとは、一体どのようなものがあるのか?について、前後編に分けてみていきたいと思います。
はじめに・牛乳論争について
ここで取り上げさせていただく牛乳問題は、さまざまな専門家が国内外のエビデンスをもとに、指摘されているものです。
それに対し、「エビデンスが不十分」として、真っ向から対立する意見もあり、この問題はまだ決着がついていません。
しかしながら、こういった論争自体があまり表のメディアには出ず(出せない、といったほうが正しいかもしれません)、論争があることすら知らない人もまだ多いと思われます。
そこで、ここでは敢えて指摘されている牛乳の問題点に触れることで、改めて牛乳の在り方についてみなさんと一緒に考えていきたいと思います。
指摘されている牛乳の問題点6つ
一般的に市場に出回っている成分無調整牛乳において、懸念されている問題点は大きく分けると以下の6つでした。
(私調べですので、まだあるかもしれません)
しかし、多いですねえ・・・(^^;
- カゼイン(たんぱく質に含まれる成分)による炎症→→→アレルギー、精神ダメージ
- 超高温殺菌とホモジナイズ製法→→→アレルギー、お腹をくだしやすい
- 日本人の多くは乳糖不耐症である→→→お腹を下しやすい(?)
- 残留ホルモンやエストロゲン→→→発がんリスク
- 残留抗生物質?→→→発がんリスク(?)ヒト免疫系への影響?
- カルシウムパラドックス→→→逆に骨がもろくなる疑惑
6つの問題点、どれもすごく気になりません!?
これらを1つの記事で扱うととても長くなりそうなので、今回は1~3を取り上げてみたいと思います。
1. カゼインによる炎症・精神へのダメージ
牛舎イメージ
牛乳に含まれるたんぱく質にはカゼインとホエイがありますが、主体となるのはカゼインです。(ヒト母乳はホエイが主体)
カゼインにはいくつか種類があるなか、以下の2つの型のカゼインに対し、それぞれ違った問題が指摘されています。
どちらのカゼインも炎症が起こりやすいというのは共通しています。
しかし、2つ目のA1型βカゼインにご注目ください。
「精神ダメージ」(!)というちょっと耳を疑うようなリスクが指摘されているではありませんか。
これは、βカゼインA1型が消化の際に「βカソモルフィン(BCM-7)」というモル ヒネ様物質が生成されることに起因しています。
モル ヒネ様作用の具体例としては、キレやすい、ハイになりやすい、幻覚をみる、などの症状があります。
さらにいうと、依存作用もありますので、繰り返し欲してしまうというループに陥ってしまうわけですね。。。
依存性といえば・・・砂糖、グルタミン酸ナトリウム、そして小麦粉。これまで書いてきた食品にも共通していますね(^^;
しかし・・・牛乳にまさかそんな影響が?ほんとに?
ちょっとびっくりしますよね。
そもそも・・・この【A1型のβカゼイン】。
品種改良を重ねた家畜型の乳牛にみられる新しいタイプのたんぱく質
であるということが分かっています。
小麦の記事でもそうでしたが、個人的にはこの「品種改良」というのが大きな問題となっている気がしてなりません。
今回は人体における健康リスクの面でだけで書いていますが・・・
人の都合だけで生かされ、殺されていく動物のことにも、いずれ触れていかなくてはいけない問題だと感じています。
ちなみに、このA1型のカゼインについては海外では先駆けて問題視されており、よりリスクの少ない「A2型」の牛乳も販売されています。
調べてみたところ、私の地元北海道でもA2型の牛乳が販売されていました。
ただし、上記リンク先にも書いてあるとおり、これはあくまでもA1型カゼインのリスクを減らせるというものであり、それ以外の問題点をすべて解消できるわけではありません。
2. 超高温殺菌とホモジナイズ製法による腸への刺激
1では、牛乳に含まれるカゼインが直接体に及ぼす影響をご説明しましたが、ここでは牛乳の製法によってカゼインやホエイが変性してしまうことに、スポットを当ててみたいと思います。
【超高温殺菌】
超高温殺菌(UHT)とは、120~135℃の高温(牛乳の沸点は100℃くらい)で1~3秒間殺菌する方法。⇔低温殺菌(パスチャライズ)製法
牛乳の保存期間を長くし、大量生産することを目的とされる製法であり、日本ではこの製法を主流としています。
ここでの問題は、牛乳中のホエイとカゼインが熱変性してしまうことです。
熱変性していない牛乳は、本来カゼインは胃の中で固まり、消化吸収がゆっくりと行われます。
そのとき、牛乳に含まれるカルシウムや乳糖などの栄養も、固まったカゼインから少しずつ出ていき、体内に吸収されていくのだそうです。
しかし。
カゼインが熱変性してしまうと、固まらずに早いスピードで腸まで到達してしまう
↓
↓
腸への刺激になる
↓
お腹をくだしやすくなる
といった問題が出てくるのです。
【ホモジナイズド製法】
牛乳中の脂肪球を壊し、成分を均一にし、クリームが浮かばないようにするする製法のこと。⇔ノンホモジナイズ(ノンホモ)製法
高温殺菌処理を行いやすくするためや、口当たりを良くするために行われるのがホモジナイズド製法。
問題点は壊された脂肪球が再び凝集し、巨大なたんぱく質へと変化してしまうことです。
この巨大たんぱく質がアレルゲンとなりやすいことが分かっています。
つまり、いわゆる
「牛乳を飲んだらお腹を下しやすい人」の多くは、
こうした超高温殺菌やホモジナイズド製法に起因しているのではないかというのが、近年の専門家の見解です。
そういったことから、脂肪球が混ざっていない(ノンホモ)牛乳も乳業メーカーでは販売するようになっています。
「ノンホモ パスチャライズ 牛乳」などで検索すると、そういったことに配慮された牛乳、もしくは牧場のサイトがヒットしますので、気になる方はぜひ探してみてくださいね。
ノンホモは脂肪球が混ざってないので、表面にクリームが浮いたような状態になっているのが特徴だそうです。
北海道にいながら、飲んだことないですが、おいしいそうですね^^
ただこれに関しても、製法によるカゼイン熱変性やアレルギーリスクを減らせるメリットはありますが、すべての牛乳リスクが解消されるわけではありません。
3. 乳糖分解酵素を持たない人はお腹をこわしやすい?
1では、牛乳に含まれるカゼイン(a1型βカゼイン)が精神ダメージを与える可能性、
2では、高温殺菌およびホモジナイズド製法によって起こる下痢やアレルギー問題について触れてきました。
3では、飲む側、つまり人間のほうに乳糖分解酵素を持たない人(乳糖不耐症)がいるという話をさせていただきます。
乳糖(ラクトース)とは、牛乳に含まれる糖質のことです。
乳糖不耐症とは、乳糖を分解するための酵素(ラクターゼ)が分泌できない人のことを指す。
日本やモンゴルなどに住むアジア人は、欧米人に比べてこのラクターゼが大人になると減少してしまうことが分かっています。
「ラクターゼがないため、乳糖が小腸で分解されず、消化不良を起こすことで、お腹にガスがたまったり下痢を起こしたりすることがある」
というのが一般的な乳糖不耐症による問題点です。
かつては、牛乳によるお腹の不調は主にこの乳糖不耐症が原因だろうと考えられていました。
先ほどご説明したように、最近の研究ではお腹を壊しやすい理由は主に超高温殺菌およびホモジナイズ製法によるものである、といわれています。
というのも、同じ乳糖不耐症をもつモンゴルの遊牧民であったり、アフリカのマサイ族の人たちは牛乳によってお腹を壊すということが少ないからだそうです。
むしろ、遊牧民やマサイ族の飲む牛乳は、日本のような超高温殺菌やホモジナイズを行っていないことにこそ、注目すべきであると。
これは、実際にモンゴルやアフリカに取材にいってデータを取った専門家による意見です。
とはいえ、乳糖を分解する酵素が少ないというのは事実であるので、
乳糖に含まれるカルシウムなどの栄養素が吸収されにくい、というのは分かっているようです。
え?
あれ、牛乳ってカルシウムの吸収率がいいとかってよくいわれてませんでしたっけ??
そんなカルシウムパラドックスについては、次の記事にてお話させていただきます。
牛乳の知られざる問題 その1前編まとめ
いやあ・・・
牛乳の固定概念が覆されましたね(^^;
今回は、昨今指摘されている牛乳の問題点6つのうち、
1 品種改良によって生まれた新しいタイプのたんぱく質(a1型βカゼイン)問題
3 乳糖不耐症の問題点
について触れてみました。
次回の記事では、4~6の発がんリスクや、カルシウムパラドックス(矛盾点)について考えていきたいと思います。
また、これらは砂糖や小麦と同様、歴史的背景を知ることも重要ですので、次回以降の記事で書かせていただきます。
長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【参考】
今回は主にガン栄養療法・食事指導講師である吉富信長氏の動画を参考にさせていただきました。
「机上の空論ではなく、実際に現地に足を運ぶ」という姿勢には頭が下がります!
牛乳有害説「カゼインと炎症」【栄養チャンネル信長】 - YouTube
牛乳有害説「超高温殺菌とホモジナイズ」牛乳は製法にも問題がある?【栄養チャンネル信長】 - YouTube
牛乳有害説「乳糖不耐症は関係ない!?」【栄養チャンネル信長】 - YouTube
以下の書籍の著者である、内山葉子氏の動画も、次回以降の記事でお世話になります。
パンと牛乳は今すぐやめなさい! 3週間で体が生まれ変わる [ 内山葉子 ]